耕三寺は、実業家・耕三寺耕三氏が母への感謝を込めて昭和時代に建立した仏教寺院で、国宝・重要文化財建築を模した15棟以上の建物が境内に立ち並びます。なかでも境内奥に広がる大理石庭園「未来心の丘」は、彫刻家・杭谷一東氏の作品が点在する白亜の丘で、しまなみ海道随一の映えスポットとして国内外から注目を集めています。
GUIDE
耕三寺の見どころ・歩き方
写真と一緒に、回り方のコツをまとめました
耕三寺とは——母への愛が生んだ昭和の大伽藍
瀬戸内の島・生口島の瀬戸田に到着して港から道を歩くと、やがて白亜の大伽藍が視界を埋めるように現れます。これが耕三寺(こうさんじ)です。
耕三寺は昭和11年(1936年)から約30年をかけて建立された仏教寺院で、創建者は大阪の実業家・西山満吉(後に耕三寺耕三と改名)。母・孝子への感謝と菩提を弔うために、自ら私財を投じて建立しました。「母の寺」とも呼ばれるこの寺院は、その並外れた建設規模と装飾の豪華さから、訪れる人の想像を超える風景が広がっています。
日本各地の名建築を模した堂宇
耕三寺の特徴のひとつは、日本各地の国宝・重要文化財の建築を精巧に模した堂宇が境内に並ぶことです。
- 山門(孝養門):日光東照宮の陽明門を模した極彩色の山門。金と朱の装飾が正面から参拝者を迎えます
- 本堂:平等院鳳凰堂の意匠を取り入れた堂宇
- 潮聲閣(ちょうせいかく):京都・西本願寺の飛雲閣を模した楼閣建築
- 多宝塔・鐘楼 など15棟以上
これらは単なる模倣にとどまらず、職人の技術を尽くして建てられた本格的な建築物であり、現在では国の登録有形文化財に指定されているものも多くあります。「一か所で日本の名建築巡りができる」という独自の体験を提供しています。
未来心の丘——白亜の大理石が広がる絶景空間
耕三寺の境内を奥へ進むと、突然、白一色の世界が広がります。これが「未来心の丘(みらいしんのおか)」です。
イタリア産の大理石約5,000トンを使用して造られたこの庭園は、彫刻家・杭谷一東(くえたにかずひがし)氏が30年以上の歳月をかけて制作した大型芸術作品です。白い大理石の丘の上に、抽象的な彫刻が点在する異空間は、晴れた日には青い空・瀬戸内の島々・白い石が三層になった絶景をつくり出します。
白い石に映える光と影のコントラスト、瀬戸内の風、島の緑との対比——インスタグラムやSNSを通じて広まり、現在では「しまなみ海道でもっとも映えるスポット」として国内外から訪れる観光客が急増しています。
丘の上では360度の眺望が開けており、天気が良ければ大三島・伯方島方面の島々や海峡も見渡せます。
瀬戸田の街と組み合わせて楽しむ
耕三寺のある瀬戸田は、生口島の中心的な港町で、レモンの産地としても知られています。耕三寺の周辺には平山郁夫美術館、瀬戸田の古い街並み、レモンスイーツの店舗などが集まっており、半日〜1日かけてゆっくり楽しめるエリアです。
サイクリングでしまなみ海道を走る場合も、瀬戸田エリアは多くのサイクリストが立ち寄る休憩ポイントで、駐輪スペースも整備されています。
アクセスと注意点
生口島へは、尾道港からのフェリー(三原港経由もあり)で約40分〜1時間。瀬戸田港から耕三寺までは徒歩約10分です。サイクリングでしまなみ海道を通過する場合は、島内サイクリングルート(ブルーライン)から外れますが、立ち寄りの価値は十分あります。
入館料がかかるため、訪問前に公式サイトで最新の料金・開館時間を確認することをおすすめします。未来心の丘は開放的な空間で日差しを遮るものがなく、夏季は非常に暑くなります。訪れる時間帯は早朝か夕方前を選ぶと快適です。
基本情報
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