因島大山神社は、因島の土生町に鎮座する歴史ある神社です。大国魂命ほか多くの神々を祀り、古くから島の総鎮守として信仰を集めてきました。近年はしまなみ海道サイクリングの聖地として「自転車神社」の名で広く知られ、全国からサイクリストが安全祈願に訪れます。境内には自転車・二輪車専用のお祓い所のほか、大山稲荷神社・耳明神社などの摂社が点在し、見張台からは瀬戸内の島々を見渡す絶景も楽しめます。
GUIDE
因島大山神社の見どころ・歩き方
写真と一緒に、回り方のコツをまとめました
因島の総鎮守——自転車の神様として知られる古社
因島大山神社は、因島・土生町の小高い丘の上に鎮座する古社です。大国魂命(おおくにたまのみこと)をはじめとする多くの神々を祀り、古くから島の総鎮守として地域の信仰を集めてきました。
近年はしまなみ海道サイクリングの隆盛とともに「自転車神社」として知られるようになり、全国のサイクリストが安全祈願のために訪れる聖地となっています。境内には自転車をモチーフにした絵馬や授与品が並び、ペダルを漕いで参拝する人々の姿が日常の風景になっています。


歴史と由緒——奈良時代から続く因島最古の神社
因島大山神社の創建は奈良時代の**773年(宝亀4年)**にさかのぼります。平安時代に編まれた歴史書『三代実録』(901年)にも「大山神」として名が記されており、いにしえより瀬戸内の人々に崇められてきた由緒ある古社です。
祭神は**大国魂命(おおくにたまのみこと)をはじめとする多くの神々。境内に祀られる和多志大神(わたしのおおかみ)**は古来より航海・交通の守護神として信仰され、瀬戸内の海を渡り生きた人々の守り神でした。「渡しの大神=交通の神」というこの性格が、現代では自転車・二輪車の守護へと自然に受け継がれています。
かつてこの地を拠点とした村上水軍も、大山神社を守護神として深く信仰していたと伝えられています。境内に残る見張台はその証であり、水軍の海上支配と神社が深く結びついていたことがうかがえます。
参道の石段——天へ向かって続く参道
鳥居をくぐると、境内の拝殿へと続く石段が目の前に現れます。石段の両脇には石燈籠と常緑の木々が立ち並び、日常から切り離された静かな空気が漂います。青空に向かって伸びる石段を上りきると、堂々とした拝殿が出迎えてくれます。

拝殿——装飾豊かな社殿
石段を上りきった先に広がる拝殿は、緑青色の屋根と精緻な木彫りの装飾が目を引く堂々たる社殿です。拝殿の前には狛犬が鎮座し、参拝者を迎えます。境内は砂利敷きで広く整備されており、行事や祭典のたびに多くの参拝者で賑わいます。

自転車神社——お祓い所と自転車絵馬
因島大山神社をサイクリストの聖地たらしめているのが、境内に設けられた自転車・二輪車お祓い所です。石碑には「自動車・二輪車お祓所」と刻まれ、愛車の安全を祈る場として多くのライダーやサイクリストが利用しています。


社務所では自転車をかたどった絵馬や、サイクリング安全祈願のお守りも授与されています。しまなみ海道を走るサイクリストの間では、ここへの参拝が「旅の通過儀礼」のひとつとなっています。
御守り・授与品
社務所では自転車をかたどった自転車型御守りや、車輪をモチーフにした輪守(わっかまもり)、自転車ステッカーなどの授与品が揃っています。デザインのユニークさから、参拝記念として全国のサイクリストが持ち帰ります。
自転車ご祈祷(要予約)
愛車を持ち込んでの自転車ご祈祷も受け付けています。ご祈祷は予約制で、社務所への事前連絡が必要です。しまなみ海道を走り始める前に正式な安全祈願をしたいサイクリストに利用されています。
鳥居を自転車で通れる
大山神社では参拝者が自転車に乗ったまま鳥居をくぐることができます。一般的な神社では境内への自転車乗り入れは遠慮を求められますが、ここでは愛車とともに参拝できるのが自転車神社ならではのスタイルです。しまなみ海道を走ってきたそのままの姿で鳥居をくぐれる体験は、サイクリストにとって特別な瞬間となっています。
自転車神社祭(毎年5月)
毎年5月には自転車神社祭が開催されます。全国のサイクリストや地域の人々が集まり、安全祈願の祭典が盛大に行われます。しまなみ海道のサイクリングシーズン到来を告げるイベントとして知られ、遠方からの参加者も多いお祭りです。
境内の摂社——稲荷神社と耳明神社
広い境内には、本殿のほかにもいくつかの摂社が点在しています。
大山稲荷神社は、本殿脇の参道を進んだ先にある稲荷社で、朱塗りの鳥居が連なる鮮やかな景観が印象的です。商売繁盛・五穀豊穣のご利益で知られ、地元の人々からも篤く信仰されています。


耳明神社(みみあきじんじゃ)は、耳の神様を祀る珍しい摂社です。耳の病気回復や聴力の向上を祈る信仰があり、「耳が明く」という言葉から転じて、知恵が開くご利益もあるとされています。受験生や学業成就を願う参拝者も多く訪れます。
境内全景——広々とした砂利の境内
本殿前に広がる境内は砂利敷きで広く開放的です。祭事の際には舞台や屋台が設けられ、島の人々が集まります。境内の周囲には大木が茂り、神聖な空気を作り出しています。


見張台からの眺望——因島の街と瀬戸内海
境内の奥を進むと、釣島箱崎浦見張台(つりしまはこざきうらみはらしだい)があります。これはかつて瀬戸内海の覇者として知られた村上水軍が使ったとされる歴史的な見張り場所です。因島を拠点とした村上水軍は、この高台から釣島・箱崎浦方面の海上を監視し、瀬戸内を往来する船の動きを把握していたと伝えられています。境内に立つ説明板には、その由来と当時の海上交通の様子が記されています。

小高い丘の上に設けられた見張台からは、因島の街並みと瀬戸内海の島々を見渡す大パノラマが広がります。晴れた日には遠く尾道方面の山々まで望め、眼下に広がる穏やかな瀬戸内の風景はしばらく立ち去りがたい美しさです。また見張台の案内板には「三つ富士と鶴亀」と題した解説があり、見える山々の形が富士山に見立てられる言い伝えが紹介されています。


御朱印
因島大山神社では複数の御朱印を授与しています。大山神社本社の御朱印のほか、耳明神社の御朱印やせとうち七福神めぐりの御朱印も用意されており、巡礼目的の参拝者にも対応しています。
御朱印帳は自転車デザインと村上水軍デザインの2種類があり、この神社ならではのオリジナルデザインが人気です。御朱印の受付は社務所にて、営業時間内に対応しています。
アクセス
車の場合 しまなみ海道・因島北ICから県道173号を経由して約10分。境内横に駐車スペースがあります。
自転車・バイクの場合 しまなみ海道サイクリングルート沿いに位置するため、土生港方面から自転車でのアクセスが便利です。サイクリングの途中に立ち寄る形で参拝するサイクリストが多くいます。
フェリーの場合 土生港フェリーターミナルから徒歩約15分。尾道・三原・生口島などとを結ぶフェリーが発着する土生港は因島の玄関口で、船で訪れる場合の起点となります。
基本情報
フォトギャラリー
写真をタップすると拡大表示できます(左右スワイプ / ←→キー対応)。
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